材料開発技術
エレファンテックは独自の製法を実現するために、先進的な材料開発技術を研究しています。
なかでも、ナノマテリアル、インク、プライマー、そしてこれらを可能にする材料解析技術が相互に連携し、高精度な電子回路製造だけでなく、幅広い分野への応用が期待されています。
ナノマテリアル開発技術
独自技術が生み出す、画期的な銅ナノフィラー
エレファンテックの銅ナノフィラーは、独自の合成技術により開発された、優れた導電性や熱伝導性を持つファインメタル材料です。これにより、15nm級の微細粒子を持つ高性能ナノフィラーが誕生しました。この微細粒子は、60℃という低温での湿式還元を可能にし、プロセスの安定化に貢献します。 また、最長6か月にわたる優れた分散安定性も特長です。これにより、品質を長期間維持できるため、安定した生産プロセスを確立します。この特性は、インク、ペースト、接合・放熱材料など幅広い産業分野への応用も可能にします。

銅ナノフィラーの走査型電子顕微鏡(SEM)像

銅ナノフィラーの粒度分布
インク開発技術
高精細な回路を生み出すナノインク
当社のナノインクは、SustainaCircuitsプロセスに欠かせない、金属ナノ粒子を分散させたキーマテリアルです。ナノインクがインクジェットヘッドから吐出され、印刷描画が開始されます。 印刷されたナノインク層に光を照射したり、還元液につけることで、ナノ粒子同士が融解・結合。この焼結プロセスによって、導電性と密着性が実現されます。
ナノインクには、以下の物性が求められます:
- 液体としての安定性
- インクジェットの吐出性と印刷描画性
- ナノインク組成中の溶剤乾燥性
- ナノ粒子の焼結性
- 基材との密着性

焼結後研磨断面のSEM画像
プライマー開発技術
生産性を飛躍的に高める、独自プライマー技術
プライマーは、ナノインクと基材の密着性を向上させる役割を担います。プライマーを使用することで、基材とナノインクが物理的にしっかりと結合し、高い導体密着強度を実現できます。独自設計の材料が、高柔軟かつ高耐熱を実現し薄膜であっても優れた密着性と、信頼性を確保します。また、銅ナノインクによる回路形成との親和性が高く、フレキシブル基板に加え、リジッド基板やガラスなどの各種特殊基板への回路形成を実現します。さらに、プライマーはインクジェットプロセス中の液滴着弾を制御し、より微細な配線パターン形成を可能にします。
これらにより、量産工程に適した高い信頼性と均一性を兼ね備えることができます。

着弾サイズを限りなく小さくそれでいて、液滴挙動を制御できる

隣の液滴との偏った合流やインク形状の歪みにより
微細描画が困難

隣の液滴との偏った合流やインク形状の歪みがなく
微細描画が可能
材料解析技術
品質を保証し、開発を加速させる解析技術
材料開発を可能にするのは、研究段階から実施される徹底的な現象分析技術です。ナノインクと基材との高密着性を実現するには、ナノ粒子一つひとつの挙動を観察し、密着力低下の根本的な原因を解き明かすことが不可欠です。私たちはナノレベルでの現象を徹底的に分析し、密着不良の原因を明確にします。私たちが重視しているのは「ナノレベルの材料技術や、それらによって引き起こされる物理現象を確実に制御すること」です。この徹底した解析技術があるからこそ、より本質的かつ迅速な改善策を開発できるのです。

基板と導体の接着面の断面SEM画像

AFM-IR測定結果:特定分子結合スペクトルを抽出してマッピング。基材と導体間近傍の原子状態を見極めている。