【P-Flex®を使うメリット】フレキシブル基板P-Flex®で温度センサーIC・サーミスタの熱応答時間を速める

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温度センサー・サーミスタの熱応答時間を速めるメリット

温度センサーにおいて、熱応答性が高い(温度変化をより短時間で検知できる)ことは、温度変化をトリガーとして制御を行う機器にとって、その分早くコントロールできるため多くのメリットがあります。エアコンを例にとって考えてみるとイメージしやすいかもしれません。

・使用エネルギーを少なくすることができ環境に優しい
・コスト(電気代)の削減に繋がる
・快適性が向上する

熱応答性(熱応答時間)を高めるために、サーマル・マス/ 熱容量に注目

・温度センサーの熱応答速度は、センサーを取り巻く熱容量(材料が熱エネルギーを蓄える能力)が大きく影響する
・センサーの周辺に熱容量の高いものがあると熱応答時間がかかる
・高い熱容量を持つ材料の方が、熱容量が小さいものよりも温度変化に対する反応が遅くなる(例えば断熱材など)

また、温度センサーの多くは表面実装PKGで供給されることが多いので、ICは基板に実装して使用する必要があります。実装するための基板は熱容量が小さいことが求められます。

フレキシブル基板を使うメリット

(メリット1)薄いフレキシブル基板は、熱容量が小さいために、迅速に空気温度の変化に対応することができる

フレキシブル基板は熱応答時間が短く、速く温度を測定できることが下記グラフからわかります。

Texas Instruments Application Report – SNOAA03:Layout Considerations for Wearable Temperature Sensing

横軸:時間、縦軸:熱応答時間、緑線:フレキシブル基板、赤線:リジッド基板で薄いもの、青線:リジッド基板

(メリット2)メイン基板と離す事によりプロセッサや電源の熱やファンの影響を減らすことが出来る

高速動作のプロセッサなど熱を発する部品が設置されているメイン基板から、温度センサーを離すことで、その熱の影響を少なくすることにより正確に温度測定ができます。

Texas Instruments Application Report – SNOA967ATemperature sensors: PCB guidelines for surface mount devices P17

(メリット3)フレキシブル基板で距離を伸ばすことにより測定したい場所の近くに配置可能

温度を測定したい場所がメイン基板の上でない場合、つまり筐体の別の場所で温度を測定したい場合に、薄く曲げることのできるフレキシブル基板を使用して測定したい箇所まで伸ばして設置することができます。