【P-Flex® を使うメリット】フレキシブル基板でMEMSマイクの周波数特性をあげる

MEMSマイクにP-Flex®を活用するメリットについて

MEMSマイクは小型で大量生産に向いていることからスマートフォンを始め各種機器に採用されています。その形状の多くは表面実装タイプでPCBに実装されます。

トップポート型とボトムポート型

MEMSマイクには音を取り込むためにケースに小さな穴が開けられています。トップカバー側に穴がある場合はトップポート型、PCB側にある場合はボトムポート型と呼ばれています。こちらの図はCirrus Logic社のアプリケーションレポートに掲載されているMEMSマイクの断面図です。(左:トップポート型、右:ボトムポート型)

薄く形状自由度が高いP-Flex®を使う2つのメリット

サウンドのパフォーマンスを最大化するためには音を取り込む部分のケース、ガスケット(*)、保護用メッシュ層の厚さを薄くすると良いとされています。ボトムポート型では基板越しに音を取り込むため、更にPCBの厚さも影響を及ぼします。サウンド入力部の厚さは理想的には厚さ0.5mm、最大でも4mmを推奨するとも言われています。(Microchip社のアプリケーションノート

25µm(ポリイミド)から50µmまたは125µm(PET)と薄い基材を採用したフレキシブル基板 P-Flex®にMEMSマイクを実装することによって、ボトムポートマイク型の入力部分を推奨厚に対応可能です。

また、P-Flex®を活用することによってトップポート型およびボトムポート型マイク共通で、振動結合を防ぐためにマイクとメインPCBを分離することが可能です。
メイン基板に実装されているブザー、モーター、メカニカルスイッチなどのノイズ源からMEMSマイクを離すことが可能です。
(*)用語: ガスケット(gasket)とは挟み込んで圧縮し、その隙間を塞ぐと同時に、流体の漏れまたは外部からの異物の進入を防止するもの

基板の厚みに伴う周波数特性の違い

こちらはST Micro社のアプリケーションレポートからの抜粋の図です。MEMSマイクのサウンドの入力部の厚さを2つの異なった厚さ(長さ 1.5 mmの円筒形チューブ=標準的なPCB、長さ 約0.3mmの円筒形チューブ=FPC)でシミュレーションを行っています。2つの基板厚のシミュレーション結果から、オーディオ帯域と近超音波まで広い範囲でフラットな周波数特性を得るには、フレキシブル基板を使用するのが好ましいとしています。
更にフレキシブル基板の特長の1つとして、2次元に限定されることなく筐体の適切な場所にソフトに配置が可能であることが挙げられます。この特長により最終製品の最適なメカ設計にも貢献します。
P-Flex®はこれらのフレキシブル基板の特長に加えて、ピュアアディティブ®製法によるメリットを併せ持つ製品です。