高精度インクジェット技術による先進パッケージ向け接合材塗布技術を開発
エレファンテックのインクジェット技術が切り拓く、半導体製造の新たな可能性
エレファンテックは、個別の誤差やばらつきをAIが学習して補正する高精度インクジェット製造技術 NeuralJet™ を開発し発表しました。今回、本技術を活用したインクジェット装置により、AI半導体などに代表される先進パッケージングに必須となる接合材料をインクジェット技術で塗布する技術を開発しました。
AI半導体に代表される先進パッケージングでは、2次元的な半導体の密度向上が限界を迎える中、3次元的なパッケージングが求められています。3次元的な積層に必須となるのが接合材ですが、従来の塗布方法であるスピンコート法では、狙ったところにだけ塗布する、複数の厚みを混在させて同時に塗布する、段差のある表面に塗布する、といった複雑な塗布は困難でした。インクジェットはそれらを実現しうる技術ですが、一般的なインクジェット装置では精度面で課題があり、先進パッケージングへの適用例はありませんでした。
弊社の NeuralJet™ 技術を搭載した新型インクジェット装置ELP04は、AI技術NeuralJetにより、インクジェットの液滴の着弾を1滴単位でコントロールすることで、極めて高い塗布膜の平滑性と選択性を実現しました。ウエハ上への塗布例ではRa(表面粗さ)0.8nmと極めて高い平滑性を発揮しています(添付1)。同時に別サンプルでは、サブμm~数十μmレベルでの膜厚コントロールを実現しています(添付2)。この技術を用いることで、必要なところにだけ、必要な厚みの接合材が、高い平滑性で塗布できるようになり、先進パッケージングの工法の自由度を大きく高めることが期待されます。
さらに、エレファンテックは同時に先進パッケージング向け塗布工法を実現する高精度インクジェット装置ELP04-PILOTも発表いたしました。この装置は塗布プロセスの実証や、材料メーカー様や半導体メーカー様の独自材料を用いた新プロセスの開発・生産に適しており、小規模ながら高品質のインクジェットシステムとして、接合材に限らず、新材料開発や製造プロセスの最適化を支援することが可能です。
この技術革新により、半導体製造プロセスの効率化と高度化、特にAI半導体や先進パッケージングの進化を加速する可能性があると考えております。
1: インクジェットによるウエハーへの高耐熱接着剤の塗布
(材料提供:三井化学株式会社様)
エリアごとの膜厚コントロールや、塗る・塗らないの選択的パターニングなど、従来技術では困難だったプロセスを実現した革新的なインクジェット塗布技術です。これにより、半導体製造の柔軟性が飛躍的に向上し、同時に環境負荷の削減にも貢献します。
特長
1 – インクジェットにより、エリアごとに膜厚をコントロールした塗布が可能です。
2 – インクジェットにより、塗るところ、塗らないところのパターニングが可能です。
3 – 低いRa(表面粗さ)を実現できており、塗布技術の一つとして先進パッケージング・後工程向けに適用可能です。
局所的な膜厚変更 | Ra(表面粗さ):0.8 nm |
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2: 先進パッケージング・シリコンフォトニクス向け異種接合材の塗布
(材料提供:三井化学株式会社様)
ガラスとシリコンなど異種材料の接合や立体構造の塗布を、インクジェット技術で実現しました。局所的な膜厚コントロールや段差への高いロバスト性が、さらなるパッケージの進化を支援します。
特長
1 – ガラス同士、ガラスとダイなど異種、立体接合をインクジェット塗布で実現しました。
2 – 局所的にサブμm~数十μmレベルでの膜厚コントロールを実現、パッケージのさらなる進化に貢献します。
3 – 段差へのロバスト性が高く、パッケージ内のダミーシリコン、シリコンブリッジの実装手段として活用可能です。
■ 断面図
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