フレキシブルプリント基板とは下記の特徴があります。
- 曲げられる基板 ←→ リジッド基板(普通の硬いプリント基板)
- 非常に薄い( < 0.1 mm)材料の上に回路を形成 している。
- FPCとも言う(Flexible Printed Circuits)が、 これは和製英語である。
- 高価で設計が難しいという欠点もあるが、軽量 化・小型化などのために使われている。
この記事ではエレファンテックのフレキシブル基板 P-Flex🄬 の仕様を中心に、フレキシブル基板一般に用いられる用語の解説をします。あまり難しい概念はありませんので、一通り読めばフレキシブル基板の記事がよく分かるようになると思います。
1. 基板のレイヤー
まずは基板のレイヤー(層)を解説します。以下の4つはそのまま入稿データの分類でもあります。下の画像を参照しながら読むと分かりやすいと思います。
パターン
電気が流れる導体の部分のこと。 P-Flex🄬では、インクジェットで印刷された銀と、その上にめっきされた銅の層がパターンになります。
レジスト(ソルダレジスト)
基板を覆い保護する耐熱性のコーティングのこと。はんだ付けの際にはんだ(ソルダ)が不必要に広がらないようにカバーするためソルダレジスト、または略してレジストと言います。緑色のものが多いですが、異なる色の場合もあります。
シンボル
基板の上に描画する文字・記号のこと。シルクスクリーン印刷されることもあることから、シルクと呼ばれる場合もあります。基板や部品の名称などを印刷することが多いです。
外形線
基板の外周の線のこと。エレファンテックでは外形線に従って基板をレーザーカッターで切り離します。
2. 製造仕様
次に P-Flex🄬の製造仕様で挙げられている用語について、P-Flexの特徴の紹介も含めて解説します。
基材
フレキシブル基板の一番下の層のこと。パターンやレジストなどは基材の上に形成されます。
最小パターン幅/間隔(L/S)
パターンの最小幅と、パターンとパターンの最小間隔のことです。Line and Space という意味で L/S と書かれることもあります。また、パターン等の間隔はクリアランスと呼ばれることもあります。
外形-パターン最小間隔
外形線とパターンの最小間隔です。エレファンテックでは外形をレーザーカットするため、外形ギリギリまでパターンを配置することはできません。
無電解 Ni-Au めっき
無電解 Ni-Au(ニッケル-金)めっきは電気を用いずにニッケルと金のめっきをパターンの上に施す処理のこと。はんだ付けをしやすくするため、またパターンの酸化・腐食防止のために行われます。
補強板
フレキシブル基板で部分的に基板が曲がらないようにするために裏に貼り付ける板のこと。部品の周辺部やコネクタ部でよく使われます。
外観検査
基板の光学的な検査のこと。傷やホコリの有無などを検査しますが、あくまで光学的な検査のためパターンが電気的に正常かどうかを調べることはできません。
オープンショートテスト
パターンの電気的な検査のこと。オープンテストとショートテストの二つがあり、それぞれ電気的に接続すべきところがオープン(接続できていないこと)していないか、接続すべきでないところがショート(接続していること)していないかをテストします。