JVA2021授賞式での弊社代表取締役社長 清水のショートスピーチをご紹介します。
JVA2021表彰式 ショートスピーチ(清水信哉)
電子産業は今、IoT、5Gといろいろな流れの中でまだまだ増え続けています。その中で環境負荷は非常に大きな問題となっています。たとえば中国の深センはひと昔前までは電子産業の街・ものづくりの街といわれていましたが、今、新しい電子回路の工場は作れなくなっています。理由は非常に環境に悪いからです。
そこでどうしているかというと、中国沿岸部で作れないため中国の山奥やあるいはインドなどで工場が作られています。つまり電子産業は環境に悪いので、どんどん環境規制のゆるい地域へ押しやっていきましょう、というのが世界で起きていることです。
それは、本当に持続可能なことでしょうか?というのが我々の問いです。
我々は、環境に悪いといわれている電子産業を環境に優しいものにできないか、と考えました。
今までの電子産業というのは「全面に銅箔を貼って要らない部分を溶かして捨てる」という製法で作られています。そのため1メートル角の電子回路を1枚を作るのに、だいたい1トンから2トンぐらいの水が必要となります。
それに対して我々は全く逆の「必要な部分にだけ金属を印刷する」という製法を実現し量産化しました。これは(これまでの製法に比べて)10数分の1の環境負荷で電子回路を作ることができます。
また我々は自社で工場を持ち量産化をし、お客様に既存の電子回路のリプレイスメントとして使っていただいています。
2030年あるいは2035年ごろには(低環境負荷の)エレファンテックの製法を電子回路製造における世界のデファクトスタンダードにし、それによって電子産業を持続可能なものにしていく、ということを目指しております。
「不要な部分を溶かす」プロセスから「必要な部分に印刷する」プロセスへ
例えばプリント基板では、既存工程は銅箔を製造し、フィルムとラミネートし(CCL製造)、感光材料をラミネートしたあと、露光、現像、エッチングによって不要な部分の銅箔を溶解・廃棄することで、所望の銅パターンを得るという、非常に長い工程でした。
我々の工程はフィルムに金属を印刷し、成長させることで所望の銅パターンを得る方法で、銅箔製造プロセス、CCL製造プロセスが丸ごと不要になる上、エッチングで銅箔を溶解・廃棄するプロセスも不要となります。