【インタビュー】キラーサンプルのご紹介

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エレファンテックの FPC P-Flex® の新しいサンプル基板について、弊社P-Flex®営業部の上野のインタビュー記事です。

キラーサンプルとはどんなものでしょうか

サンプルの名前については、いわゆる一般的な用語でキラーコンテンツ、キラーアプリケーションとか呼称するものがありますがそれと似た形で「(特定の業界にとって)魅力のあるサンプル」という意味でキラーサンプルという名前をつけました。

これまで弊社では、P-Flex®を多くの方に知っていただくためのサンプルをご用意してきましたが、今回のキラーサンプルはこれまでとは異なり、カメラ業界のお客様向けに絞ったサンプルとなります。

FPCが多く使われている製品としては、スマートフォンであったり車関係が増えてきていますが、一方カメラ、特に一眼レフやミラーレスカメラにも非常に多くの FPC が使われています。カメラで使っているFPC というのは片面FPC を採用している比率が高く弊社FPC のスペックと合致するものが非常に多いんですね。そういった意味で、特にカメラ業界に携わる方々に P-Flex® への興味を持っていただきたいということで作成したのがこのキラーサンプルです。

キラーサンプルの特長について教えてください

最も大きな特長としては、このキラーサンプルは電解金めっきを採用したことです。
弊社の FPC はこれまで銅体が露出している部分には無電解めっき処理を行っていました。今回、 電解金めっきを採用したことによって何が大きく変わるかと言いますと、無電解金めっきと比べて金めっきの厚みが非常に厚い表面処理方法となっている点です。
無電解金めっきでは金の厚みが0.03µm以上という設定に対して、電解金めっきでは0.3µm以上という10倍の膜厚処理が可能となります。
擦れるような摺動部分で金めっきが薄いとあっという間に金が剥がれてしまって下地の銅のパターンが見えてしまうというようなトラブルも、金めっきの厚みがあることで回避できますし、下地のニッケル層や銅箔の露出が軽減されることで耐腐食性の向上も期待されるかと思います。

カメラの設計をイメージしたFPCサンプルについてお聞かせください

今回は、カメラ業界のお客様が製品開発に活かせるようにできるだけ一般的な構成に近い形でのサンプル作成ということに注力をしました。
例えば FPC の基材にはポリイミドを使用しました。というのも、カメラ製品内で使われているFPCにはポリイミドが多く採用されているためです。

弊社のポリイミド基板については、2021年にUL認証を取得しております。また表面処理を電解金めっきにする事で、民生品用途で要求のある耐ガス性についても品質向上する事が可能です。
カメラ業界ではどのメーカー様も耐ガス性能が求められています。この耐ガスというのは、例えば火山に近いところで撮影したり場合によっては戦場で撮影したりと、過酷な環境下で撮影してもカメラが故障しないというのが非常に重要なポイントとなります。

低環境負荷の FPC P-Flex🄬について企業様からの注目度、手応えを教えてください

特に関心が高まっているのは環境意識の高い欧州のお客様からの引き合いが非常に多くなっています。
実際には、とある欧州のメーカー様から環境負荷削減に考慮した製品という理由での採用という大変ありがたいお話をいただいており、現在は一緒にいろいろと施策を進めているステージとなっております。

エレファンテックは、持続可能な社会の実現に向けて環境負荷低減を目指し印刷によるFPCの製造を世界で初めて量産化した会社です。世界で初めての製法での量産化となりますのでやはり超えなければいけないハードルも多々あります。そして今後もさらなるハードルが出てくるかもしれませんがひとつひとつクリアしていけるように尽力していきます。
環境問題は持続可能な社会の実現のために避けて通れないものであり将来に向けて低環境負荷を実現した弊社のFPC工法は必ず必要となるものと確信していますので今後もお客様からの忌憚のないご意見をいただければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

(P-Flex® 営業部 上野成馬)