【共同プレスリリース】 折紙シートが自動で望みの立体に ――インクジェットプリンタでパターンを印刷、加熱により自動変形――
弊社杉本が参加した研究グループによる「インクジェットプリンタでパターンを印刷、加熱により自動変形」技術の共同プレスリリースが公開されました。
(引用)東京大学プレスリリース:
折紙シートが自動で望みの立体に ――インクジェットプリンタでパターンを印刷、加熱により自動変形――
東京大学大学院工学系研究科の鳴海紘也特任講師、川原圭博教授、大学院総合文化研究科の舘知宏教授、大学院情報理工学系研究科の五十嵐健夫教授、宮城大学事業構想学群の佐藤宏樹准教授、Nature Architects 株式会社の須藤海氏、エレファンテック株式会社の杉本雅明氏らによる研究グループは、熱収縮性のシートに折紙のパターンを印刷し、そのシートを加熱することによって、与えられた多面体を自動的に折る技術を開発しました。
これまでも折紙構造を自動で折る「自己折り」(注 1)の技術は複数提案されてきましたが、自動で折れる折り線や面の数は最大で 100 程度しかなく、作れる形状に大きな制約がありました。本研究では、インクジェット印刷の解像度を活用することにより、従来の 1200 倍以上の解像度を実現し、最大で十万本以上の折り目と数万個の面を持つ折紙を自己折りすることに成功しました。折紙の研究分野では、理論上あらゆる多面体を 1 枚の紙から折れることが知られています。しかし、そのような折紙パターンを手で折ると数時間から数十時間の作業が必要になります。
本研究成果により、それらの非常に複雑な折紙パターンを数秒から数分で自己折りすることが可能になりました。これにより、実質的にはどんな立体形状でも 2 次元の製造プロセスと自動変形により実現できることが明らかになりました。
(注1)自己折り:折紙を人手や機械からの外力で折るのではなく、素材自体が変形する内力で折る技術。ロボットの自動組み立て(Felton et al., A method for building self-folding machines, Science, 2014)などに応用が期待されている。
3426個の面で構成される帽子。