FPC置き換えによる環境負荷低減 のご提案(2)~枯渇しつつある銅~

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さっそくですが、皆さんは「銅」といわれるとどんなことが頭に浮かぶでしょうか?
銅は昔から産業では重要な役割を担っており、それこそ奈良の大仏だって銅でできていますよね。電気の技術が発達するにつれ、銅は電気を通し安くまた加工もしやすいためよく「産業のコメ」なんて言われたりします。さて、そんな産業の必須資源が枯渇しつつあることを皆さんはご存知でしょうか?

今回の記事では、そんな銅の現状とサステイナブルなモノづくりについて一緒に考えてみたいと見たいと思います。

銅はどこにある?

みなさんは銅鉱山って言葉を聞いたことがあるかもしれません。銅を含む資源は鉱山で採掘されます。銅の場合、鉱石100トン当たり約0.5トン~1トンの銅が含まれているのが一般的で、不純物を除去して純銅ができます。それが電子基板に使われているというわけですね。

ではそんな銅の鉱山はどこにあるのか皆さんはご存知ですか?銅を含む金属って案外身近な石や土にも含まれていますが、銅は平均0.00005~0.0001%程度しかないんです。これだといくら銅があっても抽出するのに 非常に労力とコストがかかり採算が全くあわないですよね。
そのため風化や火山活動によって、その銅が濃縮された場所(=鉱山)で採掘するのが効率的というわけなんです。下図は銅資源が眠っている場所を示していますが、ご覧の通り環太平洋、チリやペルー辺りに多いことがわかります。その他、ロッキー山脈のあるアメリカ、ヒマラヤ山脈のあるモンゴル・中国等にも多いですね。ここでは標高の高い山がある国には銅が埋まっている可能性が高いと覚えておけばそれでOKかと。

少し余談ですが、日本=火山大国なのでは?と思った人もいるかもしれません。日本は資源に乏しいイメージはありますが、実は日本は江戸~明治時代頃は世界屈指の銅生産国で鎖国時代中にもオランダに輸出していた実績もあります。ただ、資源の枯渇に伴い日本では生産は停止されてしまったのです。

チリの状況

では世界で最大の銅資源を保有するチリの状況を簡単に見てみたいと思います。チリ資源公社Codelcoのプレゼンテーションでは、既存の鉱山での生産量はこの先10年で74%減と見込まれています。世界最大の資源国といえども資源の枯渇が顕著ですね。Codelco社はこの先10年で約4兆円!!の投資を検討していますが、それでも生産量は漸減。一方でEV化が急速に進められる中で今以上の銅消費量が見込まれています。
https://im-mining.com/2017/10/24/codelco-plans-invest-40-billion-2027/


増加する開発コスト

NEDO/日立総合研究所が纏めた資料を見てもその傾向は明らかで、鉱石品位が年々低下しており優良鉱山が減って来ているのがわかると思います。質の悪い(=鉱石品位が低い、辺鄙な場所など)鉱山を開発することは、それだけ投資コスト・採掘コストが上昇するのも理解できます。

その上昇した投資・生産コストは一体誰が払うのかというと、当然消費者なわけですよね。銅価格はこの30年間で約4倍になっていることが下図からもわかると思います。

折角の機会なので鉱石品位低下をもう少しだけ深堀して見たいと思います。鉱石中に銅は1%しか含まれていないとすると(それでもかなり優良鉱山の部類)、99%は不要物というわけです。たった1トンの銅のために、99トンの不要物が掘り起こされているというのは結構衝撃的な事実です。鉱石品位が低下するということは、その不要物の割合がどんどん増加するということですよね。地中に埋まっている鉱石を掘り起こせば、当然その周囲の動植物へのインパクトは無視できません。今後銅需要が伸びる中で、この動きはどんどんエスカレートしていくのは自明かと思います。(当然鉱山会社も環境への負荷を減らす努力をしてはいますが)

限りある資源を有効活用するために

ここまで銅の生産国とその状況を見てきました。リサイクルによって資源を有効活用する方法もありますが、一番のエコはそもそも銅を使う量を減らす事ではないのかと思っております。電子基板は、一般的にはサブトラクティブ法という製法で生産されています。サブトラクティブ法では全面に銅をメッキ又は圧延した銅のうち、不要な部分を捨てる技術です。回路に必要なのは全体の2-3割程度というのが一般的で、その場合7-8割の銅が捨てられることになります。ただでさえ1トンの銅のために99トンの不要物が捨てられているにもかかわらず、さらにその銅の7-8割が捨てられているんですよね。

それに対して、エレファンテックの開発したピュアアディティブ®法はこれまでとは全く逆の発想で、必要な部分にのみインクジェットで金属ナノ粒子を印刷し、無電解めっき技術で金属を成長させるため非常に環境負荷の低い製法です

エレファンテックの独自のピュアアディティブ®法では、使用エネルギーや水の他、廃棄物の量では他の従来製法比で1/10以下に抑えている他、使用する銅資源は約7割減に抑えることができます。型が不要なことに加えて、このような使用資源減のよるフレキシブル基板製造コスト削減も一つの大きなメリットです。

エレファンテックの独自のピュアアディティブ®法では、使用エネルギーや水の他、廃棄物の量では他の従来製法比で1/10以下に抑えている他、使用する銅資源は約7割減に抑えることができます。

これまで「環境対応=コストがかかる」というのが一般的でしたが、エレファンテックの製法は、環境にも予算にも優しい製法だと思っております。世界の電子産業を持続可能なものにしていくためにも、ユーザー様の競争力向上のためにも、P-Flex® の採用をぜひご検討ください。