【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ とは
エレファンテック技術ブログ新企画、東工大の学生が初めてフレキシブル基板を使って、実際に電子工作する試行錯誤のレポートをお届けします。
新シリーズとして地球儀編のスタートです。今後ともよろしくお願いします!
ご挨拶
高橋です。
今回は頼んでいた地図の基板が完成したため、それを使って色々遊んでみることにします。
威容
補強板を貼って、土台に差し込んで立たせてみました。もう完成では?
円柱にしてたら補強板の枚数も多くしなきゃいけなくて位置合わせも大変だったんだろうな…六角形は正義。
ところで、この部分よく見るとアメリカ大陸になってます。
LED実装への道
このアメリカ大陸だけでLEDが169個あります。注射器でクリームはんだを盛り盛りしていては日が暮れても終わらないので当然のごとくステンシルを使います。
ところでelecrowではステンシルが発注できるのですが、お値段が16ドル。高いわけではないですが決して安くなく、そして今回は量産するわけでもないのでもう少し安く早く手軽に手に入らないものか…と。
紙!!!
レーザーカッターを使うだけで、コピー用紙がステンシルに早変わり!!
レーザーカッターを借りられる環境が無い場合は、例えばDMM.makeなら30分500~1000円ほどで借りられるみたいですね。
はんだペーストをぬりぬり。
若干くっついてる部分もある…
元々のパッドが若干大きかった説もありますが、紙だと穴が大きめに空くみたいですね。
とにかくこれでは使えないのでデータ側で各パッドの横方向サイズを50%に削減。
細い方のパッドはあんまりペースト量も変わらなかったですが、大きい方は顕著に細くなりました。これならくっつくことも無いでしょう。
とりあえずLEDを乗せて…LED思ったよりストックが少なくて半分しか乗せられなかったけど…ついでにはんだの濡れも目視で見れるようにってことで。
いざリフロー
結果がこちら!
うーん…光るのはいいんだけど…なんかLEDがキレイに並んでない。
自動整列機能(?)
リフロー経験者の方ならわかると思うんですが、リフローは部品をある程度適当に置いてもパッドにスッと吸われて整列してくれたりします。
でも今回は置いた時の適当さがそのまま保存されてしまってあまりうれしくない。社員のAさんに聞いてみたところ「データシートに推奨パッドみたいなのが乗ってるはずだからそれでやってみたら?」とのこと。うーん、データシートに書いてあったように作ったと思うんだけどなあ……エッ違う?
バカナー!
明らかに違う。俺は一体どこの情報を見てパッドを作ったんだ?
基板の浮き
若干わかりにくいですが、平面に乗せたときに面から浮いちゃってます。
一般的なフレキシブル基板では部品が乗るエリアに補強板を付けることが推奨されているので、本来こういう風に部品実装エリアが歪むことは無いのであまり問題にはならないのですが…。
これについても社員のAさんに助言を求めたところ、
・パターン設計を見直す
・部品配置を見直す
・リフローのやり方を見直す
・この基板に対してのリフロー炉の適切なプロファイルを探る
などの解決策があるとのこと。むずかしい。
ちなみに、補強板ありでリフローした結果がこちらです。
…部品乗せてやったわけではないのでまるでリフローしてないみたいですが、温度条件は同じで加熱しました。
補強板があればこんな風に歪むことなく加熱できます。
まとめ
・データシートはちゃんと読もう(当然)
・自動整列力はパッドの形状に左右される可能性がある?
・加熱による基板の歪みは基板設計とリフロー条件次第ででどうにかできる可能性がある?
次回予告
次回はちゃんとした推奨形状のパッドを作ってみて、整列力をチェックする予定です。