【フレキシブル基板にチャレンジ!】地球儀編[6]:基板製作その2

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【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ とは
エレファンテック技術ブログ新企画、東工大の学生が初めてフレキシブル基板を使って、実際に電子工作する試行錯誤のレポートをお届けしています。

ご挨拶

お久しぶりです、高橋です。生きてました。

 

前回、ちゃんとした推奨フットプリントを使わないとダメだよということを学びました。

 

前回

今回はそれに従って、改めてまともな地球儀の基板を作ります。

 

…実はこの記事の前にフットプリント色々試してみようぜ記事を出したかったのですが、それ用のテスト基板を手違いでダメにしてしまったのでこっちの記事を出すことにしました。まあ推奨フットプリント使えば大丈夫なんでしょ…?

 

基板MkII

基板MkIではトランジスタで電流増幅をしていたのですが、ちゃんとLED1つ1つに抵抗挟まなきゃダメじゃないの?ということでそうしました…それに従ってエミッタ-コレクタ間での電圧降下が煩わしくなったのでFETに切り替えました。

いえ、抵抗の問題については最初から気付いてはいたんですが…LEDでの降下電圧とトランジスタのコレクタ-エミッタ間の降下電圧を足すと丁度5Vだったのでいけるんじゃね?と思って突き進んでしまったというか。あと、なんかタダでさえLEDが575個あるのに抵抗も575個並べるのかよ…無しでも行けるんじゃね?みたいな横着心があったというか。ちなみに抵抗無しの試作した基板で試験してみたんですが、電流・電圧を上げていったところLED一つのみがシュパッと光ってお亡くなりになりました。LEDの個体差を初めて体感しました。

しかし、前回の基板のLED配置のままだと抵抗を入れるスペースが無いので並べなおし。結局575×2=1150個のオブジェクトをちまちま並べましたとさ。最初からやっておけばよかったですね。トホホ…(今更トホホなんて使う人いるのか?)

 

そんなわけでこちら。

密度が高い。

kicadにはpythonスクリプトを読み込んで基板を編集する機能がありまして、今回の地球儀基板ではネットリストから基板に部品を読み込むときに回路図の配置と大体同じような初期配置にするというもの(ネットからの頂き物)を使っています。

このページから丸々頂きました。

ですがまあ、回路図の段階では単に列ごとにLEDを並べただけだったので、実際に地図っぽく見えるように配置するのは手動なのでした。

pythonのプロなら地図のビットマップ画像を読み込んでどうのこうの、なんて出来たのかもしれませんが…トホホ。

配線もバカにならない本数なので見た目の綺麗さをある程度捨ててAutorouter任せです。

 

実装についてですが、前回までの試行の結果を見てステンシルには125mmPETフィルムを使います。いやまあ金属ステンシルを使えよという話なんですが、お値段+送料でそれなりになってしまうのでとりあえずこれでやっていきます。ステンシルの位置合わせも手動です。

 

まあ、一番しんどいのはこの個数のLEDと抵抗を並べるところなんですが…LEDは裏表だけでなく向きもありますので余計に大変です。

頑張って並べた写真がこちら↓

いざリフロー炉へ


 

リフロー完了

 

なんか2つだけ斜めってるのがありますね…

とりあえず他はちゃんと点灯したんですけど、これはどうして…?

赤丸で囲んだLEDが斜めになった箇所です。右側は確かに少し斜めになってますが、左は割と真っすぐなのに失敗してしまいました…

これは何で?カメラで実況中継しながら出来たらちょっと真相に迫れそうな気がするんですけど、そんな旨いリフロー炉あるんですかね?

 

あと地味な問題として、光に透かすとよくわかるんですがコレめちゃくちゃに気泡が入っています。

これ、基板発注時に補強板のサイズが確定してなかったので後から自分で貼ったんですが、それで失敗したのでしょうか。ローラーで結構力を掛けて貼ったんですけどね…

 

これについて社員さんに相談したところ、貼ってからすぐリフローするとこうなってしまうみたいで、一晩寝かせると上手く行くことがあるらしいです。考えてみれば接着剤って『塗って24時間待つ』みたいなの多いですものね。とりあえず試してみます。

 

寝かせてみました & 残りの地域も作成

めちゃくちゃきれいに出来ました!成功率100%…!気泡も無いです。

寝かせなかったのがLEDのズレにもつながったんでしょうか?結局原因は不明ですがまあできたからヨシ!

 

今回のまとめ

・フットプリントはちゃんとデータシート通りに作ること  (当然と言えばあまりにも当然…)

・補強板を自作してリフローする場合、貼ってから時間を置くこと  (本来ならちゃんと基板製造時に貼ってもらうのが吉)

 

次回

次回はいよいよ基板を組み上げてお披露目します!!

LEDのズレの原因も色々調べてるんですが心当たりがなく…なんででしょうね…