【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ とは
エレファンテック技術ブログ新企画、東工大の学生が初めてフレキシブル基板を使って、実際に電子工作する試行錯誤のレポートをお届けしています。
これまでもいろいろなシリーズを展開してきましたが、新シリーズとして浸水センサー編がスタートしました。ご期待ください。
挨拶
こんにちは、平野です。
このシリーズでは、浸水センサー編と銘打ってフレキシブル基板で浸水センサーを作っていきます。
今回は初回ということで、とりあえず試作品第一号の設計をします。
経緯説明とか
東工大ロボット技術研究会には、水中ロボコンに取り組んでいるアクア研というグループがあります。
キャッチコピーは“水はともだち”
↓は最新の活動報告。ぜひ覗いてみてください(身内の宣伝)
ことの発端は、そのアクア研のボスとの会話でした。
ボス「いいかんじの浸水センサーほしい」
ぼく「フレキシブル基板ちょうどいいんじゃね?」
そう、実はP-Flex®には水に濡らしてもいいような製造オプションがあり、フレキシブル基板なのでどんなところにも設置しやすく浸水センサーにぴったりなのです。
曲げてよし、沈めてよし、二つの利点が合わさり実質最強。もう浸水センサーのためのP-Flex®といってもそれはさすがに過言
次行きましょう
そんなわけで、こんなものが作りたい
アクア研のロボットは水中を移動するロボットです。でもロボットが水に濡れてしまうとどうなるでしょうか?
回路がショートして焼け死ぬわけです!みずはともだち
そんなわけなので、今回作りたいのは浸水絶対検知するセンサーです。
また、浸水が発生したときにそれを検知したい箇所はいっぱいあります。そこで、今回のセンサーにはどんなところでも配置しやすいことが求められます。
まとめると要するにこういうこと↓
・機能:少しでも水に濡れたら信号を出力
・形状:どんなところにも設置しやすい
ボスと話した結果、とりあえず形状は試作段階では帯状のものを作ることになりました。
回路については、水が一応電流を流すことを利用して近距離に配置したパッド間の電位差を見ることにしました。
ボスに書いてもらった雑なイメージ図
とりあえず試作から
というわけで、とりあえず試作品から作っていきます。
最終目標は最低限の回路も乗った基板を作りたいですが、まずはセンサー部分の設計を固めたいので水に浸かる部分だけ作っていきます。
試作第一号なので、難しいことは何も考えずにいきましょう。
そんなわけでできたのがこちら!(一部拡大したもの)
めっちゃシンプルです。基板が濡れて端子と端子の間に水がついたら導通する、それだけの回路です。
発注しよう
雑設計は一瞬で終わったので、早速発注していきます。
ここで、フレキシブル基板を浸水センサーとして用いる際に用いたP-Flex®の製造オプションを紹介します。
基材の種類
P-Flex®の基材は、ポリイミドとPETを選ぶことができます。今回、ポリイミドは吸湿してしまうため基材には吸湿性の無いPETを選択しました。
金メッキ処理
パッドの表面について、オプションの追加でニッケル金メッキ処理することができます。銅箔のままでは錆びてしまうため、今回はメッキ処理のオプションをつけました。
レジストの厚さ
防水が必要な場合、レジストを厚くするオプションが存在します。今回の用途ではどう考えても必要なのでこのオプションもつけましょう。僕はうっかり忘れて発注したことに後から気が付きました(ばか)
以上のオプションを用いてP-Flex®の製造を発注します。実はデフォルト以外のオプション付きで基板を発注するのは初めてなので、ちょっとわくわくしますね…
発注!
↓
とどいたもの
いいかんじですね・・・!金メッキがいい色してます。
今回はここまで
次回は今回設計した基板のテストをしてみます。乞うご期待!