【フレキシブル基板にチャレンジ】シリーズ とは
エレファンテック技術ブログ新企画、東工大の学生が初めてフレキシブル基板を使って、実際に電子工作する試行錯誤のレポートをお届けします。
電卓編、ロボットアーム編に続き、次のシリーズとして新3Dプリンター編のスタートです。今後ともよろしくお願いします!
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こんにちは。高橋です。
ところで皆さん、こんな記事があったことをご存知でしょうか?
【フレキシブル基板にチャレンジ!】電卓編番外[9]:3Dプリンター導入
この子、壊れました。
何が悪かったのか
ぶっちゃけ原因がよくわからなかったのですが、とりあえず壊れたファームウェアの書き換えができなくなってしまいました。フレームは生きていたのでボードだけ買って入れ替えてみたのですが、なぜかZ軸が入れ替わって認識されたりリミットスイッチが機能しなかったりと散々だったので泣く泣く廃棄処分と相成りました。
実際のところフレームやキャリッジの支持部分がガタガタで印刷に失敗することも多々あり、もう少しちゃんとしたものが欲しいという思いもありました…。
新入りはこの子
ANYCUBIC社のI3 MEGAです。定価は68,000ほどするらしいのですが、型落ち品ということで某熱帯雨林に落ちていたものを34,000円ほどでゲットできました!!!
この子の魅力
組み立てしなければいけない部分は殆ど無くて、がっしりしたフレームが丸ごと梱包されているので箱を開けて10分で印刷可能な状態にできます。前回のものはミスミフレームを自分で組み立てなければならず位置やテンションの微調整が難しかったので、今回とても…とても嬉しかったですね!!
あとは前回の記事の写真と見比べてもらえればよくわかるのですが、配線類がすっきりしていてとても良いです。コンソールもタッチパネル式で操作しやすく見やすいです。ただ印刷前のプレビュー機能は無いので注意を。
繰り返しますけど、これ3万円ちょっとで買えたんです!!! もう売り切れましたけど
3Dプリンタの価格推移を見ていると技術と市場の進歩を顕著に感じますね。
新しい使い道:真空成形
今まで通りの電子工作用のケース等フレーム部分の印刷に使うのはもちろんですが、こんなものも。
フレキシブル基板と真空成形を組み合わせて、ふくらみやへこみなどの立体的な形状を持った基板を作ろうとしています。この画像のものは静電容量式のタッチセンサーです!
簡単に言うと、基板を加熱して柔らかくしてから布団真空パックめいた手法で型通りの形を作るというものです。身近なものだとお惣菜や卵のトレーとかに使われていますね。で、それに使う型を3Dプリンターで作ってしまおうというわけなのです。
ただ、ご存知の方も多いと思いますが、こうしたFDM方式のプリンターで作られた物は積層の跡が段差として残ります。特に斜面の角度が緩やかだと顕著に表れてしまい、それを型にすると当然跡がフィルム側にもついてしまいます。
それを和らげるためには、部品を斜めに配置して印刷する必要があります。サポート材の分の材料が無駄になってしまいますが…
△左が配置図、右が印刷のプレビュー(サポート材が追加されているのがわかる)
写真の左が平面に置いて印刷したもの、右側が斜めに印刷したものになります。
左の方は積層跡が段差部分に顕著に表れていますが、右の方はかなりなめらかな仕上がりになっていますね。
これに加え、表面をやすり掛けしたりトップコートを吹き付けることでさらに段差を減らすこともできます。
以下の写真はアクリサンデー接着剤(二塩化メチレン)をPLA素材の型に塗ったものです。上のように斜めにして印刷したものではないですが、いい感じになめらかでつやつやです。
おまけ:真空成形のようす
監視カメラの話
3Dプリンタは2Dプリンタと違って印刷にn時間かかる以上、印刷開始してしばらく放置しておくものです。しかし時には調合印刷に失敗してもえないゴミになることもある以上、印刷状況をちまちま確認したいという方も多いでしょう。でもプリンタを作業場と離れた場所に置いたりなんかしたらいちいちチェックしに行くのが面倒…
そこで役立つのがこちら!
監視カメラです。
Raspberry PiとUSB Webカメラがあれば簡単に(要出典)作ることができます。
この監視カメラ製作については次回の記事のネタにするので乞うご期待。Raspberry PiでIoT!
▽動作の様子。cameraとリプを飛ばすと写真を送ってくれる
ソフト面だけで完結するものは完成が早くていいなあ…
まとめ
3Dプリンタはいいぞ