フレキシブル基板という言葉を聞いて「柔らかくて曲げたりできる基板」というのは想像がつくと思いますが、「どういう状況で使うの?」「使う際に何か気をつけることはあるの?」といった疑問もあると思います。
この記事では、フレキシブル基板とは何か、「普通のプリント基板」であるリジッド基板と比べたフレキシブル基板の特長、そして使用上の注意点について、プリント基板に詳しくない方向けに紹介します。
1. フレキシブル基板とは
プリント基板(Printed Circuit Board: PCB)を材料(基材)の硬さで分類すると次のようになります。
- リジッド基板
- フレキシブル基板(FPC基板)
- リジッドフレキシブル基板
この内リジッド基板は上の写真のようなもので、材料は様々ですが硬い板状の基板です。よく見る基板ですね。電子部品がたくさん載っていて、それらが配線で接続されています。
一方、フレキシブル基板は下の写真のような見た目をしています。ノートパソコンや電子辞書を壊したことがある方は、蝶番の部分で使われているのを見たことがあるかもしれません。
その他に、リジッドフレキシブル基板というリジッド基板とフレキシブル基板を組み合わせた基板もあります。
フレキシブル基板の材料にはポリイミド等のプラスチックのフィルムが使われていて、名前の通りとても柔軟で自由に曲げることができます。そのため電子機器の蝶番のような可動部によく用いられます。
パソコンや電子辞書のディスプレイなど、一見どこからも配線が繋がってなさそうな機器ってどうなってるんだろうと思ったことはありませんか?私はまだフレキシブル基板というものを知らなかった頃にとても不思議に思っていたのですが、ある日電子辞書を壊したら蝶番から茶色の基板のようなものが出てきて、初めて「こうやって繋がってるのか!」と驚いたことをよく覚えています。
2. フレキシブル基板の特長
(1)柔らかい
これは先ほどから書いている通りですね。柔軟性を活かしてパソコンの蝶番、プリンタのヘッドやHDD(ハードディスクドライブ)にも使われています。
(2)軽い
材料が薄いフィルムのため、リジッド基板と比べてかなり軽く基板を作れます。その利点は重量制限の厳しい自動車・航空・宇宙などの業界で活かされています。
(3)価格が高い
一方で、リジッド基板と比べると価格は高いです。実はフレキシブル基板は部品を載せずに配線として使われることが多いため、リジッド基板と直接価格を比較される状況はあまりないのですが、なんとなく「フレキシブル基板は高い」というイメージを持っている設計者は多いようです。
3. 使用上の注意点
フレキシブル基板を利用する際には主に二つの注意点があります。
- 耐屈曲性
- 部品の実装
耐屈曲性
フレキシブル基板を利用する一番大きな目的はやはり曲げられることですが、何回でも曲げられる訳ではありません。メーカーや製品ごとの仕様の他に、設計によっても耐屈曲性は変化します。できるだけ角の無い滑らかなパターンが良いとされています。
部品の実装
フレキシブル基板は薄いフィルムで機械的に弱いため、部品を実装する際には補強板と呼ばれる板を電子部品の下に貼り付けることが多いです。
エレファンテックのフレキシブル基板 P-Flex®
エレファンテックのP-Flex®はフレキシブル基板に分類されます。
下の写真を見ての通り、既存のフレキシブル基板とは見た目の印象が結構違うかもしれませんが、リジッド基板と比べた特長は同じでやはり柔らかく軽いという点に特長があります。