エレクトロニクス製造の未来へ
インクジェット印刷は、機能性インクを必要な箇所にのみピコリットル単位で非接触塗布できる技術であり、プリンテッド・エレクトロニクスの中核となる導電層形成に適した手法です。しかしこれまで、高精度と高い生産性の両立が難しく、本格的な普及に向けた課題となっていました。
エレファンテック独自のインクジェット印刷技術プラットフォームは、AIによる高精度制御、高度な機械設計、最適化されたプロセスを統合することで、これらの従来の課題を克服します。次世代エレクトロニクス向けに一から設計され、1 µmクラスの高精度、安定した印刷性能、拡張性を実現し、エレクトロニクス製造に新たな基準をもたらします。
ハイライト 1:高精度・高生産の両立
本技術プラットフォームを基盤とするインクジェット装置は、高速動作時でも着弾精度を維持できる堅牢な機械構成と、高速印刷プロセスに対応する長尺プリントヘッドを備えています。
高速動作時においても、1 µmレベル*1の着弾再現性を実現しています。さらに、機械軸の歪みやノズルごとの特性によって生じる位置ずれを自動補正する、Elephantech独自のAIベースの液滴着弾位置補正システムNeuralJet®を搭載しています。
これらの相乗効果により、次世代の電子部品の小型化に不可欠な微細導電パターンの形成が可能となりました。
本技術は、従来の社内生産モデルにも適用され、約600 mm幅のプリントヘッドアレイにより、長さ830 mmのワークを1パス当たり約6.2秒で印刷できることを実証しています。量産工程では、500 mm × 830 mmサイズのシートを約31秒(5パス)で印刷することで、約30 m2/hの生産性を達成する見込みです。
ハイライト 2:量産に耐えうる高い安定性
エレファンテックのインクジェット装置ラインアップは、量産で培ってきた豊富な知見をもとに、長期にわたり安定した性能を維持するための各種機能を備えています。
インク排出動作やノズル面のワイピングによる自動メンテナンスに加え、ノズル近傍までインクを循環させる機構により、高い吐出信頼性を確保しています。さらに、各プリントヘッドの駆動電圧制御による着弾径の補正や、全ノズルの吐出状態を検出して印刷データにフィードバックするノズル状態検査など、量産工程の中断を防ぐための高度な制御機能を備えています。
これらの機能により、本技術プラットフォームを基盤とするインクジェット装置は、長期にわたる安定性と保守性を実現し、既存の生産ラインへのシームレスな統合と、安定した高品質な出力を可能にします。
ハイライト 3:ナノマテリアルと精密メカ制御の垂直統合
本技術プラットフォームの最大の強みは、インクジェット吐出制御、精密な機械制御、数理最適化アルゴリズムを統合した、エレファンテック独自の垂直統合型技術スタックにあります。直径わずか60原子分に相当する粒径15 nmクラスの高性能な銅ナノマテリアルを用いたインク処方から、1枚のパネル上で1億個のインク滴を高精度に位置制御するシステムまでを包括的に設計しています。
これらの技術を総合的に組み合わせることで、インクジェットの性能を最適化し、材料・メカ・制御システムの相乗効果を最大限に引き出します。
エレファンテックの技術の垂直統合
もともとエレファンテックの社内生産システムとして開発されたインクジェットシステムは、シード層形成から次世代プリンテッド電子部品まで、幅広い用途に対応するラインアップへと進化を続けています。グローバルなエレクトロニクスメーカーの多様かつ急速に変化するニーズに対応します。
*1: 量産用大型装置では、繰り返し着弾位置精度(σ)として、主走査方向0.75 µm、副走査方向0.44 µmを達成しています。