【IJ実験室 : 紙で折った鶴を自力で飛ばそう!(1) 】

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 初めまして、こんにちは。今回、インクジェット実験室担当になった田中です。ここではR&D用インクジェット装置を使った物作りをしていきます!

 私は東京藝術大学工芸科に所属しており、普段は金属素材を中心に扱った物作りをしています。銅板叩いたり合金を作ってジュエリーを制作したり…インクジェットとは縁のない環境で制作していますが、R&D用インクジェット装置や機能の詳しい話を聞いて、組み合わせたら面白いモノが生まれるかもしれない、インクジェットについてもっと知りたいという思いを抱きました。R&D用インクジェット装置については素人同然なので、疑問に思ったことは社内の技術者齊藤さんに相談しながら進めていきたいと思います!

 さっそくですがみなさん、R&D用インクジェット装置ってご存じですか?これは名前のとおり、エプソン社製の様々な研究や技術開発をするプリンタなんです!インクで絵を描いたり、インクの吐出状況を調べたり…いろんなことができます。
このR&D用インクジェット装置を使って、紙に文字や画像を印刷する従来の使い方だけではなく、新たな製品開発や物作りの生産プロセス改革のために活用していこうと思いました。その実験経過などを含めて、インクジェットの魅力や面白さを伝えられるよう頑張っていきたいです!

紙で折った鶴を自力で飛ばそう!

初回の実験は【紙で折った鶴を自力で飛ばそう!】です。
折り鶴が自力で羽をパタパタ動かして空を飛んだら楽しいだろうなぁ…飛ばしたいなぁ…というのを実現させようと思い、今回はこの企画で決めました。

どういう仕組みで作るか?
鶴が飛ぶとき、羽を上下にパタパタ動かすイメージで作るので、写真のオレンジ色の斜線部分(鶴の羽の付け根部分)に回路を書きます。

動力源は熱か電気…。
有線か、鶴内部にボタン電池を仕込むか、充電式のものにするか…。

何で作るか?
紙は色々な種類の素材を試してみて、最適なものを決めようと思います。回路を書くインクは、インクジェットでも描画できる銀ナノ粒子インクを使用することにしました。インクの中には銀の粒子が入っていて、その粒子が繋がって電気が通るのです。でもインクジェットで描画するためにインクとして液体になっているので、その不要な液体部分は蒸発させる必要があるみたいです。そうするとおそらく銀だけが残って回路が書けるんですね!でも紙って、浸み込んだり、凹凸があったりして、どうなっちゃうのか心配な面もあります…。

次回
次回は印刷媒体である紙の選定実験を行いたいと思います。
お楽しみに!