電子産業は今、IoT、5Gといろいろな流れの中でまだまだ増え続けています。その中で低環境負荷であることは大変重要になってきています。
経済協力開発機構(OECD)の「OECD Environmental Outlook to 2050(2012)」によると、水需要は2000年から2050年の間に、製造業は5倍、電力は2.4倍の需要増が見込まれていると言われています。
エレクトロニクスは、これまで大量の水資源や金属資源を使い、大量の廃棄物を排出する産業でした。
18億人が2025年までに絶対的な水不足になると言われる現代において、これまでのエレクトロニクスは持続可能とは言えなくなってきています。
国土交通省 水資源問題の原因 水需要と水ストレス
「引き算」ではなく「足し算」の製造方法
これまでの電子回路は、フォトリソグラフィと呼ばれる、全面に銅箔を貼った上で不要な部分を溶かす、という手法で作られてきました。そのため1メートル角の電子回路を1枚を作るのに、およそ1トンから2トンぐらいの水が必要となります。
それに対して、エレファンテックの開発した独自の技術(ピュアアディティブ®法)はこれまでとは全く逆の発想で、回路を構成するのに必要な部分にのみインクジェットで銀ナノ粒子を印刷し、さらに無電解めっき技術で銅を成長させるという「足し算」で製造されています。このため既存の10分の1以下の水使用量での電子回路の製造および量産化を実現しました。
エレファンテック八丁堀本社玄関脇のロゴ入りの廃液タンクの写真。
廃液量が少なく環境に優しい製法のため東京都中央区での製造を可能にしました。
ピュアアディティブ®法で製造されたFPC P-Flex🄬 は、水使用量だけではなく、使用エネルギー・廃棄物量それぞれについて削減し、持続可能な開発目標(SDGs)の「目標6. 綺麗な水と公衆衛生」「目標12. 責任ある消費と製造」「目標13」に貢献しています。
「環境対応はコストがかかる」ではない
温暖化ガスの排出削減機運の高まりを受けて、より環境負荷を配慮した動きが広がってきています。
企業にとっても「環境に優しいことは必須条件」という時代に変わりつつあり、企業の社会的責任として自らの事業活動に伴う環境負荷低減を図ることが競争力の要件にもなってきています。
同時に、自社の工場や製品だけにとどまらず、取引先も含めたサプライチェーン全体で環境負荷の低減を目指す動きも注目され始めています。
エレファンテックの独自のピュアアディティブ®法では、使用エネルギーや水の他、廃棄物の量では他の従来製法比で1/10以下に抑えている他、使用する銅資源は約7割減に抑えることができます。型が不要なことに加えて、このような使用資源減のよるフレキシブル基板製造コスト削減も一つの大きなメリットです。
▶ 持続可能な社会の実現に向けて -エレファンテックの環境情報開示の取り組み
これまで「環境対応=コストがかかる」というのが一般的でしたが、エレファンテックの製法は、環境にも予算にも優しい製法だと思っております。
世界の電子産業を持続可能なものにしていくためにも、ユーザー様の競争力向上のためにも、P-Flex🄬 の採用をぜひご検討ください。
次回は、折角の機会なので、枯渇しつつある銅資源についても触れてみたいと思います。